ファジィと当てずっぽうの将棋観 #3
最近はもっぱら序盤のお勉強。
私の勉強法は、定跡書はまず一通りざっと(時間かけず1,2日で)読む。で、ふわっとした知識のまま24で指してみる。そうすると「この場合はどうすんだっけ?」という局面に遭遇する(というかそればかり)ので、局後にまた本にあたって確認する。場合によっては、プロの棋譜を調べる。以下、実戦→確認を繰り返す。というやり方。
最初から完璧を求めない方がいいと思うんですよね。というか、この方法だと実戦で出てこない順はいつまでたっても放置されるので、最終的にも完璧にならない気もしますが。いいんです。実戦でよく出てくる順ベスト3くらい知っておけば何とかなります。
気になるテーマが溜まってきたので久しぶりにこのコーナー(→#1、#2)
★テーマ1 後手石田流への対応

バリン これは全くの無理というわけではない。先手としても▲2五歩△3二飛▲2四歩といきなりはいけない(△同歩▲同飛△3六歩がある)ので。
▲2五歩△3二飛▲6八玉△6二玉▲2二角成△同銀▲6五角と進めるのが一例。先手早石田に対して4手目△4二玉に▲7八飛と振る将棋に類似してるが、それに比べて居飛車の飛車先の歩が伸びている形。ただ、それがどこまで得なのかは微妙な気もする。△5五角の筋(下図)から飛車を取られてしまえば、かえってスキになる可能性もあるし。

先手互角以上に戦えるとは思うが、後手としても乱戦に持ち込めるなら十分とも思える。研究しやすい形でもあるので、アマチュア的には後手の作戦として案外有力なのでは。
せっかくの先手で乱戦になるのが嫌なら、△3五歩に▲5六歩△4二飛▲4八銀や▲4八銀△3二飛▲4六歩のような形に進めれば穏やか。以下、角交換型の石田流になる。これも一局だが、石田流に組まれるのでは後手に主張を通されたようだし、先手は堅く囲うのも難しい将棋になるので気分的にあまり面白くない。個人的にはやはり▲2五歩で勝負したい。それで先手勝率55%。
★テーマ2 後手番一手損角換わりvs先手早繰り銀

バ 飛車先不突での一手損角換わりは丸山さんが得意としてる形で、後手の趣向の一つとして最近よく見かける。一方で▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金に▲7八金△8四歩の交換を入れずに即▲2五歩として、先手の方から飛車先不突での角交換を強いる指し方もある。先手としても▲7八金と上がらずに駒組みを進められるという主張がある。
テーマ図から△8四歩▲4六銀△8五歩と進めば定跡書でもよく見る形になるが、ここから二手掛けて飛車先を伸ばしていくのには折角の飛車先不突型なのでやや抵抗を感じる。しかし、△5四銀▲4六銀△4四歩▲3五歩△4五歩▲3四歩の展開(下図)は△5二金が間に合ってないから、△3四同銀▲3七銀となった時に銀立ち矢倉に組むことができない。

▲3七銀以下、△3三金~4二飛とするのは5四銀型とのバランスが悪い気がする。△3三桂だと飛車先を切られて△2三金と上がることになるが、2三金の形はまとめづらくてあまり幸せになれない印象がある。
かといって図から△4六歩▲3四歩△4七歩成▲3二歩成△4六角の大決戦は、▲1八飛と逃げられてこれはダメそう。7七へ玉の逃げ道が空いてるし、後手の飛車先が伸びてないのが響いて一押し足りない格好に見える。先手が7七銀と上がってる形なら成立する場合もあるんですが。
とすると、テーマ図からは大人しく△8四歩と突いていくか、△4四歩▲4六銀△4二飛と飛車を振って迎え撃つか、どちらかかな。後者なら飛車先不突を活かせるが、これも△3三金と上がる形になるので玉の堅さに差がついて後手が勝ち切るのが大変な将棋になりやすい。先手勝率は△8四歩なら53%、△4四歩なら60%。
いや、待てよ、△4四歩▲4六銀△5二金とすれば銀立ち矢倉に組めるのか。▲3五歩△4三金右▲3四歩△同銀。以下、先手に飛車先を切られることになるけど、好形に組めて後手も戦えるはず。△6五歩から6四角と据えて飛車を狙っていくような構想がいいのかな。
後手番一手損角換わりはよく指しますが、自分から飛車先不突型を目指すことはあまりないですね。角換わりの将棋で飛車先不突というのは、寄せ合いになった時にパンチ力不足になりやすいのでそこまで得ではないと思ってます。
★テーマ3 角換わり棒銀での特攻

バ これは▲9三歩成で先手良しでしょう。△同桂▲9一角△7二飛▲8三銀で馬を作って手厚い形です。
▲9三歩成を同桂と取らずに△5二飛? ふうむ。それも▲7九金と桂にヒモつけるくらいで十分じゃないですか。銀香交換な上にと金得なので、じっくり指していけば普通に優勢になっていくと思います。先手勝率は75%。
ちょっと形は違いましたが、以前には9四歩の垂らしに対して△9一香と打たれたこともありました。その時は後手が4二玉~5二金と囲っていたので▲6一角と打ち込んでいったのですが、このテーマ図で△9八香成に代えて△9一香だと?
パッと見えたのは▲7五角△4二玉▲8四銀という順ですが、ちょっと筋悪いかな。相手の香打ちが重たいので、手筋の▲6六銀から軽く桂を逃していく方がいいのかもしれない。▲3五歩と突いて▲4五角からの馬作りを狙うのでも良いだろうし。いずれにしろ△9一香も良い手ではないと思う。やはり定跡通り、この垂らしには△9二歩と受けておくところでしょう。
個人的に、この銀香交換から端突破を狙う角換わり棒銀は好みではないです。先に駒損する攻めですし、居玉の相手に対して損してまで端の一点狙いで攻めていくというのがピンと来ない。7筋を突いて銀を立て直していく形なら指してもいいと思いますが。あ、対振りの棒銀というのも、相手玉が8筋にいるのに銀を遠くの2筋から繰り出していくというのがどうも受け付けないんですよね。
私の勉強法は、定跡書はまず一通りざっと(時間かけず1,2日で)読む。で、ふわっとした知識のまま24で指してみる。そうすると「この場合はどうすんだっけ?」という局面に遭遇する(というかそればかり)ので、局後にまた本にあたって確認する。場合によっては、プロの棋譜を調べる。以下、実戦→確認を繰り返す。というやり方。
最初から完璧を求めない方がいいと思うんですよね。というか、この方法だと実戦で出てこない順はいつまでたっても放置されるので、最終的にも完璧にならない気もしますが。いいんです。実戦でよく出てくる順ベスト3くらい知っておけば何とかなります。
気になるテーマが溜まってきたので久しぶりにこのコーナー(→#1、#2)
★テーマ1 後手石田流への対応

初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩とした局面。プロではほとんど見かけることのない後手番での早石田を目指した手だが、成立するのだろうか。先手としてはどう対応すべきだろうか。
バリン これは全くの無理というわけではない。先手としても▲2五歩△3二飛▲2四歩といきなりはいけない(△同歩▲同飛△3六歩がある)ので。
▲2五歩△3二飛▲6八玉△6二玉▲2二角成△同銀▲6五角と進めるのが一例。先手早石田に対して4手目△4二玉に▲7八飛と振る将棋に類似してるが、それに比べて居飛車の飛車先の歩が伸びている形。ただ、それがどこまで得なのかは微妙な気もする。△5五角の筋(下図)から飛車を取られてしまえば、かえってスキになる可能性もあるし。

先手互角以上に戦えるとは思うが、後手としても乱戦に持ち込めるなら十分とも思える。研究しやすい形でもあるので、アマチュア的には後手の作戦として案外有力なのでは。
せっかくの先手で乱戦になるのが嫌なら、△3五歩に▲5六歩△4二飛▲4八銀や▲4八銀△3二飛▲4六歩のような形に進めれば穏やか。以下、角交換型の石田流になる。これも一局だが、石田流に組まれるのでは後手に主張を通されたようだし、先手は堅く囲うのも難しい将棋になるので気分的にあまり面白くない。個人的にはやはり▲2五歩で勝負したい。それで先手勝率55%。
★テーマ2 後手番一手損角換わりvs先手早繰り銀

図は後手の一手損角換わりに対して先手が早繰り銀を見せた局面。一見よく見る形のようだが、後手の飛車先不突型をどう捉えるべきだろうか。
バ 飛車先不突での一手損角換わりは丸山さんが得意としてる形で、後手の趣向の一つとして最近よく見かける。一方で▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金に▲7八金△8四歩の交換を入れずに即▲2五歩として、先手の方から飛車先不突での角交換を強いる指し方もある。先手としても▲7八金と上がらずに駒組みを進められるという主張がある。
テーマ図から△8四歩▲4六銀△8五歩と進めば定跡書でもよく見る形になるが、ここから二手掛けて飛車先を伸ばしていくのには折角の飛車先不突型なのでやや抵抗を感じる。しかし、△5四銀▲4六銀△4四歩▲3五歩△4五歩▲3四歩の展開(下図)は△5二金が間に合ってないから、△3四同銀▲3七銀となった時に銀立ち矢倉に組むことができない。

▲3七銀以下、△3三金~4二飛とするのは5四銀型とのバランスが悪い気がする。△3三桂だと飛車先を切られて△2三金と上がることになるが、2三金の形はまとめづらくてあまり幸せになれない印象がある。
かといって図から△4六歩▲3四歩△4七歩成▲3二歩成△4六角の大決戦は、▲1八飛と逃げられてこれはダメそう。7七へ玉の逃げ道が空いてるし、後手の飛車先が伸びてないのが響いて一押し足りない格好に見える。先手が7七銀と上がってる形なら成立する場合もあるんですが。
とすると、テーマ図からは大人しく△8四歩と突いていくか、△4四歩▲4六銀△4二飛と飛車を振って迎え撃つか、どちらかかな。後者なら飛車先不突を活かせるが、これも△3三金と上がる形になるので玉の堅さに差がついて後手が勝ち切るのが大変な将棋になりやすい。先手勝率は△8四歩なら53%、△4四歩なら60%。
いや、待てよ、△4四歩▲4六銀△5二金とすれば銀立ち矢倉に組めるのか。▲3五歩△4三金右▲3四歩△同銀。以下、先手に飛車先を切られることになるけど、好形に組めて後手も戦えるはず。△6五歩から6四角と据えて飛車を狙っていくような構想がいいのかな。
後手番一手損角換わりはよく指しますが、自分から飛車先不突型を目指すことはあまりないですね。角換わりの将棋で飛車先不突というのは、寄せ合いになった時にパンチ力不足になりやすいのでそこまで得ではないと思ってます。
★テーマ3 角換わり棒銀での特攻

図はノーマル角換わりから後手が棒銀での端攻めを敢行した展開。▲9四歩の垂らしに対して、受けずに△9八香成と突進してきた局面。この特攻は成立するのだろうか。
バ これは▲9三歩成で先手良しでしょう。△同桂▲9一角△7二飛▲8三銀で馬を作って手厚い形です。
▲9三歩成を同桂と取らずに△5二飛? ふうむ。それも▲7九金と桂にヒモつけるくらいで十分じゃないですか。銀香交換な上にと金得なので、じっくり指していけば普通に優勢になっていくと思います。先手勝率は75%。
ちょっと形は違いましたが、以前には9四歩の垂らしに対して△9一香と打たれたこともありました。その時は後手が4二玉~5二金と囲っていたので▲6一角と打ち込んでいったのですが、このテーマ図で△9八香成に代えて△9一香だと?
パッと見えたのは▲7五角△4二玉▲8四銀という順ですが、ちょっと筋悪いかな。相手の香打ちが重たいので、手筋の▲6六銀から軽く桂を逃していく方がいいのかもしれない。▲3五歩と突いて▲4五角からの馬作りを狙うのでも良いだろうし。いずれにしろ△9一香も良い手ではないと思う。やはり定跡通り、この垂らしには△9二歩と受けておくところでしょう。
個人的に、この銀香交換から端突破を狙う角換わり棒銀は好みではないです。先に駒損する攻めですし、居玉の相手に対して損してまで端の一点狙いで攻めていくというのがピンと来ない。7筋を突いて銀を立て直していく形なら指してもいいと思いますが。あ、対振りの棒銀というのも、相手玉が8筋にいるのに銀を遠くの2筋から繰り出していくというのがどうも受け付けないんですよね。
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